ある店舗の商品を見てみよう。なんの変哲もない、小さな店。
その店のガラスケースには、そのままでは読めない文字が並ぶ。
鏡を用いれば、それは反転した文字だと分かるだろう。
それは名前。たくさんの名前。行列する日本人の名前。
ガラスケースに閉じ込められる、集積された誰かの名前。
それが売られている。店主に言えば、ソレは買える。あまりにもあっさりと。
誰かの……。或いは、アナタのナマエさえも。
問題:これは何の店?
ヒント1: 兎にも角にも、この店舗は日本にある。
一つ、安心して欲しい。
ヒント2: 反転した名前。鏡越し?
それとも紙かフィルムで透かして見ている?
これが、その店の一般的な売り方らしい。
ヒント3: 果たして、その名前は誰かの個人情報なのだろうか。
ここはもう一つ、安心して欲しい。
その店は、網羅的に名前を取り扱っているだけなのだ。
印鑑・判子販売店