水中呼吸の謎

難易度『梅』

私が顔を上げると、遥か上に水面が見える。
ゆらゆら、ゆらゆらと揺らぐ水面。魚たちが泳ぐ。

本物の水面。映像や幻なんかじゃない。
幻想的な水底の夢を叶えたんだ。

ふと、不思議に思う。
自分が、何の不自由さを感じることも無く呼吸できている『当然』を有難いと思う。

でも、すぐにそんなことはどうでも良くなった。
日の光が届かぬこの場所で、私はずっと魚たちの穏やかな舞踏を見て過ごすの。

これは夢でも錯覚でもない。本物の記憶。思い出。
誰にも、否定できないの。写真だってあるんだからね?
そこに写るのは、シュノーケルも酸素ボンベも、息を止める仕草も無い、いつもの私。

私は人間。魚だと思った? 魚だったら、きっと、もっと楽しいのかもね。

そうして、私はもう一度水面を見上げるの。
そろそろ次に行く。もうすぐ、地上に戻る、時間だから。

問題:私は今どうやって呼吸してるの?

真実:幻覚、錯覚、非科学的な現象は当状況に関係しない。

ヒント1: 私は難なく呼吸している。苦しくなんてないんだよ。

ヒント2: 私は『水面の下』にいるんだよ。

ヒント3: 泳ぐ魚を眺める場所。海の底もいいけど、もっと手軽で気楽な所。

真相

水族館の水槽を見上げている。
潜水艦でも水中基地でも金魚鉢を見上げてるでも可。
つまり、肺呼吸。

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